「本当に効果のある手法は地味で泥臭いことであることが多い」

新年度になりましたね。拙著「人生に行き詰った僕は、喫茶店で答えを見つけた」出版からちょうど1年が経ちました。

このカフェラボはキックオフから約2年が経ち、会員数は凄く多いとは言えないものの北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄、つまり日本列島全域からの参加者がいるという事実は本当に嬉しくかつ身も引き締まる思いでこれからも「小さな個人店が黒字で長く続けていけるお店作り」に向けて全力尽力していこうと思います。

さて、会員限定公開の「指南書」の中でかつて「地上戦」と称して「コーヒーゼリー本日年内最終日、次回は来年の4月です」と手書きで書いて扉に貼って、「ゼリーが飛ぶように売れ、即日完売」という結果の話を書いたと思います。

あれから半年経ったまさに本日のことです。

今度は「本日よりコーヒーゼリー開始です!」の手書きの紙を同じように扉に貼った日でした。

平日だというのに12個が完売しました。

なんてことない普通の日にゼリーが12個出る日なんて年間を通じて初日と最終日しかないと思います(笑)。

最終日は次回が半年後なのでまだわかるのですが、本日みたいな初日なんていうのは明日も明後日も今後半年間に渡ってず~っとあるのに人の心理とは面白いもんだなぁと思います。

どうであれ、この「手書き貼り紙作戦」は計測上、統計上、明らかに効果があるという結果が出ております。

カフェラボではこういった「現場でこれこれこういう結果が出た」という報告は逐一していこうと思います。

一点注意していただきたいのは、例えば今回こういった「計測上統計上ほぼ確実な効果が得られる戦略」というものを発表したとして、それをそっくりそのまま皆さんの店舗に当てはめるというのはやはり皮相すぎる見解と言わざるを得ません。

一枚の汚い(いや綺麗でももちろんいいのですが)貼り紙の背景には「半年に一度はもちろん、その他のあらゆるメニューを含めても年間にこのような貼り紙をすることはなく、コーヒーゼリーが唯一のもので他のメニューには一度たりともこの手法は行っていない」ということまで含めておかないと同じ効果は生まれないので、別にそんなにゼリーをプッシュしなくてもいいかもしれませんし(笑)、その辺はご自身でいろいろ工夫アレンジした上でこういう手法をとるようにしてみてください。

最後に今述べているこうした「ここ一番、一撃必殺の技」を繰り出す際に絶対やるべきでないことがあって、しかもこれは言っておかなければやりがちな人も出てきそうなので言っておきますと、それは「在庫を一掃したいから」とか「賞味期限切れが近いから全て売り切りたいから」という理由でこの一撃を使うのだけはお薦めできません。

圧倒的に売り切りたい商品こそ「最高の状態のもの」であるべきなのです。

ですから例えば明日がその商品最終日で、現在在庫がまだある場合、それら全てを廃棄して前日前夜に新たなものを作り最終日に臨む、という状態に少なくとも私はそうしています。

賞味期限切れ近い豆を「本日のサービスコーヒー」と称して安く提供することが絶対NGであるのと同じことです。

なんだか「赤澤談話」が毎週の「指南書」みたいなアプローチになってきてますのでこのへんでやめます。

今度の「指南書」では、先日ムックの取材を受けて、その取材内容から「おそらくこのような内容の紙面になるであろう」という予測をしたことがありましたが、そのムック本がこの度出来上がり送られてきましたので、その「答え合わせ」とさらにここでもよく言っている「取材の雪崩現象」が既に起こっているのでその辺の話をしていこうと思います。